長野県諏訪郡原村 T様邸 紙系壁紙<和紙>施工例
~日本の伝統素材の和紙を壁装に~
趣きの有る和空間
壁紙といえば、今一番多く使用されているのが塩化ビニール樹脂系壁紙です、良く聴くビニールクロスと呼ばれる物ですが、今回は、紙系壁紙を和室に施工しました
T様邸は数年前に完成していましたが、和室の壁をどのように仕上げるのか?どのような素材で仕上げるのか?を考えていました
壁材としては、木質壁(杉板やパイン材)で仕上げる方法や珪藻土や漆喰などを塗る方法、壁紙の上から塗装する方法、壁紙を貼る方法等ありますが、T様邸は和紙にこだわりがあった為、和紙を貼る事を選択しました (他の和室に素敵なふすま紙を施工してありました)
今回の和紙はおもにふすまに使用する製品です
今回の和室は新築時にコンパネ(木質)下地にて壁を施工してあった為、アク止めをまず塗布しました
木質下地の場合は、アクが出てきてしまう事が多いので、アク止めは必ず行います
下地処理(テープ+パテ)
↑ 継ぎ目にテープを張った状態 ↑ 一回目のパテ処理中
コンパネ下地(べニア下地)の継ぎ目に専用のテープを貼ってからパテをします
パテをする事で段差解消をしてなめらかな状態にしてから、壁紙を施工します
テープとパテ処理は、ビニールクロスの場合にも行います
下地が石膏ボードの場合も同様にボードの継ぎ目やビス頭にパテ処理は欠かせません
今回の和室は真壁和室と呼ばれる柱が室内に見える仕上げになっている為、柱にアク止めが付かないようマスキングテープで養生をしてからアク止めを塗布しました
真壁は、柱が見える仕上りの事をいいますが、柱が見えない仕上りを大壁と言います、洋室は大壁の仕上りになり、和室でも真壁和室と大壁和室があります
パテ処理は一度目は、粗目のパテを使い、十分乾いたあとサンダー処理をします、そのあと仕上げのパテ処理を施工します
自動糊付け機
自動で壁紙に糊を塗る為の機械です
壁紙施工には大変重宝する機械です、ビニールクロスも自動糊付け機にてのり付けします
↑自動糊付け機① 和紙を出している ↑自動糊付け機② カットして折り畳み
今回の紙は巾が100cmほどだったので、機械にて糊付けが出来ましたが、もし120cm位だと機械での糊付けが不可能になり糊を手塗りをしなければならなくなってしまいます
(通常のビニールクロスは92cm巾がほとんどです、輸入品のモリスの紙系壁紙は50cm巾です)
↑ 重ね貼り
ビニールクロスより和紙の方が伸縮するため、今回の和紙施工は重ね貼りにて施工しています(紙を2cm位かぶせて施工)
和紙の場合はジョイントを重ね切り施工した場合ジョイントのつなぎ目が目立ってくることが多くあります、それを防ぐ為に重ね貼りをしています
ビニールクロスの場合は重ね切りが通常です、重ね切りした後、ローラーでジョイントを目立たなく仕上げます
和紙の場合、ビニールクロスより施工をする場合の約束事があります(珪藻土クロスや自然素材クロスも同様です)
ビニールクロスより和紙の方がシワになりやすいという特長があるので、カットした和紙をかさね置きにはしません
糊を付けてから壁に貼り付ける間隔をある程度、一定にしなければなりません(伸縮が変わってしまう為)
仕上げた表面に糊が付かない様に細心の注意をする(ビニールクロスの場合は糊が付いても水を含ませたスポンジで拭き取る事が可能ですが、和紙の場合拭き取ると表面をキズ付けてしまうことあります)
紙系壁紙施工後
↑施工後画像① ↑施工後画像②
柱が見える構造の真壁和室です(画像②の方がわかりやすいと思います)
↑施工後画像③ ↑施工後画像④
床の間の中とそのほか壁で2つの和紙を使っています
壁の和紙の色より、濃い色を床の間の内側に施工しています(色の違いが分かりにくくて申し訳ございません)
ビニールクロスでも同じ部屋で一面だけ色を変える事もあります(アクセント壁)
↑壁部分に横柄の和紙を施工 ↑床の間の中は無地の和紙を施工
通常のビニールクロスより和紙の方が、高価な商品になります