お部屋コーディネート施工例#210

長野県松本市蟻ヶ崎 O様邸施工例

~アスワン・ミュルーズ染織美術館「フェルナン」を核としたトータルコーディネート~

長野県松本市蟻ヶ崎という高級住宅街にお住まいのO様のインテリアエレメントの交換を、取引先のO建築店様よりご依頼を頂きました。

このO建築店様は、昔ながらの棟梁が取り仕切っておられます。 またこの棟梁は、嫌な仕事はしないという徹底ぶり。

今回お話頂けたのは、O様が20年ほど前にO建築店でお家を建てられたお宅のリビング、ダイニング、広縁のカーテン、絨毯、テーブルクロス、背当てクッション、ランプシェードの交換をしたいが、誰か良い人を紹介して頂きたいとの事でご紹介を頂きました。

お施主様のO様は、70歳代の女性でいまだ現役のお医者様。 激務の後、家でくつろぐ本物のインテリアを探しておられるので、そのつもりでと釘を刺されて、自分にプレッシャーをかけながら仕事に臨みました。

ゆうあいでしかご提案できない、O様邸の本物のインテリアエレメントをご紹介致します。

リビング:ふじやま織ドレープカーテン&トルコ製レースカーテン



今回、O様のお部屋を拝見し、O様とお話しながら、ご提案させて頂いたのが、「ふじやま織」のドレープカーテンです。 こちらは先染め高密度ジャガード織りになります。

遮光のカーテンが人気のある昨今ですが、深みや味わいを求めるならジャガード織りに敵いません。

この生地は、アスワンの「ミュルーズ染織美術館」シリーズのフェルナンという商品です。 フランスのデザインにも関らず、日本の家屋にも合う豪華なテイストを持つ物です。



レースのカーテンは、トルコ製の本場のエンブロイダリーレースをお勧めしました。 刺繍のレースカーテンは、最近中国などからお値打ちなものが多く入っております。 決して悪いということはないのですが、中国のものはデザイン、縫製とも模倣の商品が多いのも事実です。

トルコ製レースは、デザインにも歴史があり、物も良く色々な意味で、長くお使い頂ける素晴らしい商品です。 今回は、カーテンメーカーのものでなく、直接商社から仕入れたものをご提案しました。

中庭に面したリビング、門扉をあけて玄関に向かう窓にも、エンブロイダリーレースが映えます。



ドレープカーテン:生地 アスワン フェルナンB4096

レースカーテン:生地 ゆうあいオリジナル No.13682

リビング:ウィルトン織絨毯 ケシャン



以前使っておられた敷物は、カービング加工の海外製のものでした。

今回ご提案しましたのが、ケシャンというウィルトン織の絨毯。 こちらは、50万ノットの高密度商品(50万ノットとは、裏面からみて1㎡に50万の結び目がありもの)になります。

刺繍レースの本場が、トルコのように、絨毯にも本場がありますが、この商品はペルシャ絨毯の本場のイラン製になります。

いわゆるベルギー製絨毯とも言えるのか、平滑ではありますが、ウール90%、レーヨン10%で10mmのパイル長で50万ノットの高密度に織ってありますので、踏み心地も最高です。

今回、ほとんどコーディネートはお任せ頂きましたが、この商品は日本古来から高貴な色として愛させてきた「藤色」で、ふじやま織のドレープカーテンにも合うと思い、お勧めしました。



絨毯:ケシャン/KESHAN 10.75381 200×250cm

リビング:ランプシェード、テーブルクロス、背当てクッション



リビングのソファーの両脇にあるテーブルには、川島セルコンの生地でテーブルクロスを。

その上にあったテーブルスタンドライトのランプシェードを、ドレープカーテンと同じふじやま織の生地でお作りしました。

ランプシェードを作る時の注意点は、生地が防炎品であるかどうか。 特に電球が白熱電球の時は熱を持つため気を付けなければなりません。

この生地は、防炎品でしたので問題ありませんでした。



背当てクッションカバーも同じ生地でお作りしました。



背当てクッションカバーにもいろいろなタイプがあります。 一番シンプルなプレーンタイプ、四辺にフリルを付けたタイプなど。 こちらは、四辺にパイピンを付けたタイプになります。

スタンドライトの下に敷いたテーブルクロスとおなじ無地のピンク色の生地でパイピンを作ってあります。

柄物の本体に無地のパイピンを付ける事によって、豪華さが増します。



背当てクッションの数までご相談を頂きましたので三人掛けのソファーには三個、二人掛けのソファーには二個お作りしました。 絨毯からテーブルクロス、ランプシェード、背当てクッションまでトータルでコーディネートできました。

ランプシェード(オリジナル品):生地 アスワン フェルナンB4096

背当てクッション:本体生地 アスワン フェルナンB4096 パイピン生地 川島セルコン FT5182 (P)


テーブルクロス:川島セルコン FT5182 (P)

ダイニング:テーブルクロス、椅子背当てカバー、カーペット

リビングの隣のダイニングスペースでは、ダイニングテーブルのテーブルクロスとダイニング椅子の背当てカバーとダイニングテーブルの下のカーペットをお作りしました。

テーブルクロスは、リビングのテーブルスタンドライトの下に敷いたものと同じ生地でお作りしました。



今回、ランプシェードと並び製作に気を配ったのが、こちらのダイニング椅子の背当てカバーです。 微妙なラインやカーブを出すのは、図面だけでは無理でしたので使われていたカバーをお借りしてほぼ同じものを作ることができました。



柄は、カーテンと同じ生地でしたので、お隣のリビングとも違和感なくコーディネートできました。



ダイニングテーブルの下に敷いたのは、東リのグレースというBCFナイロン製のレベルループのカーペットです。

こちらは、業務3といういわゆる重歩行用のカーペットで土足でもあがれるものになります。 フッ素樹脂加工による防汚加工や抗菌加工を施してあり、食べこぼしが落ちたとしても安心して使えるものです。 お色は、テーブルクロス、背当てカバーを意識したエンジ系のものをお勧めしました。

テーブルクロス:生地 川島セルコン FT5182(P)

椅子背当てカバー(オリジナル品):生地 アスワン フェルナンB4096

カーペット:東リ グレースGJ1336

ゆうあいスタッフからのコメント

長野県松本市蟻ヶ崎のO様との打ち合わせは、一回ではありません。 それは、O様の求めている物をヒヤリングするところから始まりました。

見本帳を広げ、いくつかお持ちした見本吊りをお見せして・・・そしてアスワン・ミュルーズ染織美術館のフェルナンという生地が良いと確信して、再度来訪。



ローズ色とラベンンダー色の2色の見本吊りをお持ちして、ローズ色のB4096番に決めて頂きました。

それから、ランプシェード、背当てクッション、絨毯、テーブルクロスなど一つの空間でこれだけトータルコーディネートをさせて頂くことは少ないのですが、久しぶりに充実感に溢れた仕事をさせて頂きました。

また今回オリジナル品も多く、この難しい縫製の要求にこたえて頂けた縫製所の方々にも感謝です。

このフェルナンという生地は、ふじやま織の商品ですが、こちらについての詳細は、ゆうあいのブログ をご覧ください。

「20数年経って、あの頃のようなオーダーメイドが出来るとは思いませんでした」 O様にお褒めの言葉を頂きましたが、今回僕がやりたかったクラシカルで日本家屋に合うインテリアコーディネートに携われて、本当に幸せでした。

O様、本当にありがとうございました。