アスワン・「ミュルーズ染織美術館コレクション」のカーテンについては以前このブログで取り上げたことがあります。
アジアからの輸入に頼ってきた日本、確かにコストを抑えることができたわけで、それはありがたいことでありました。 ただ、ここにきて日本国産の本当に良い品、良い技術が再認識されつつあるのではないでしょうか。 ゆうあい松本店 武井です。
今回、松本市蟻ケ崎のO様邸のカーテン、インテリア小物、カーペット交換工事のお話を、O様邸を建てられた建築店の棟梁より頂きました。「安物はダメだよ、良い物持ってきて」
建売のような家が多い昨今、大工の棟梁が建てられた家にはこだわりがあるはずです。 こだわって建てた家のカーテン、カーペットはそれに負けない位のこだわりが必要ではないでしょうか。
棟梁からお客様のお好みを聞き、カーテンメーカーの見本帳と一緒に店内の見本吊りもいくつかお持ちしました。
その中で、お決め頂いたカーテンが、ミュルーズ染織美術館コレクションの中の「ふじやま織」でした。
「ふじやま織」は、山梨県富士吉田地方が産地です。 その歴史は古く、今から千年前の平安時代に「甲斐の布」として最古の記録が残っています。 明治維新後には、経糸絵付けをしながら織る、「絵甲斐絹」と呼ぶ独特な手法の織で、格調美を誇る高級絹織物を生産しました。 「甲斐絹」の生産は途絶えましたが、その技術や感性は富士吉田産地の礎になっているとの事です。
ふじやま織の織機は、細番手の絹織物を中心に生産していた経験から、合繊に変わって長繊維の細番手の糸を経糸、緯糸に高密度に織ったジャガード織りを特長とします。 ネクタイ、カーテンなど緻密デザイン表現をした高級品を生産しています。
ふじやま織は先染めの糸を、横糸にも緯糸にも何色も違う色を使用することで、多色感のある織物を表現します。それにはそれぞれの糸染めを少ない量で染色する事が必要になります。 この産地では、かせ染の小ロット染色が出来る工場が効率の良い生産の要になっているとの事です。
このような、先染高密度織物の「ふじやま織」は、生地の表情に深みに本当に素晴らしいものがあります。 それは日本の技術でしかなしえないのではないでしょうか。
そして、デザインはも素晴らしいこのフェルナンという生地。 今回は、カーテンのみならず、クッションカバーやテーブルクロス、ダイニングの椅子の背当てカバーまで作ります。 次は、良い縫製技術者の出番です。
納品は、8月のお盆過ぎです。 完成した折には、施工写真をご覧にいれられると思います。 その際は、是非ご覧ください。
最後にソフトな話をひとつ。
先日、お休みを使って東京国際フォーラムにミーシャのコンサートを見に行ってきました。
娘からの父の日のプレゼントでした。 素晴らしい休日をありがとう!